「仕事でも車を使うんだけど、ガソリン代とか車検代って経費にできるの?」 「経費にできるとして、何%を経費にすればいいの?」

在宅で働くフリーランスでも、打ち合わせや資料集めで車を使う人は多いですよね。私もそのひとりです。そして必ずぶつかるのが、「車の費用を、どれくらい経費にしていいのか」という疑問。

結論から言うと、車のように仕事とプライベートの両方で使うものは、「事業で使っている割合」だけを経費にできます。これを家事按分(かじあんぶん)といいます。問題は「その割合をどう決めるか」で、ここでつまずく人が多いんです。

この記事では、制作会社17年→独立し4年目のフリーランスデザイナーの私が、車の費用を実際にどう按分しているかを、実体験を交えて解説します。私は「週のうち仕事で使う日数」を基準に按分しているのですが、その考え方を具体的に紹介します。

なお、按分の割合や経費の扱いは事業の内容や使用実態によって変わります。この記事は一般的な考え方と私の実例の紹介なので、最終的な判断は、税務署や税理士に確認してください。

結論:車の経費は「事業で使う割合」だけ按分できる

まず大前提です。車を仕事とプライベートの両方で使っている場合、車にかかる費用を全額は経費にできません。経費にできるのは、事業で使っている割合ぶんだけです。

たとえば車のガソリン代が年間で一定額かかっているとして、そのうち「仕事で使った割合」を掛けた金額が、経費にできる額になります。プライベートの買い物やレジャーで使ったぶんは、当然ながら経費にはなりません。

この「事業で使う割合」が、いわゆる按分割合です。そして次に問題になるのが、「その割合を何を基準に決めるのか」。ここが今回の記事の本題です。

按分割合の決め方:「合理的な基準」であればいい

按分割合は、「なぜその割合にしたのか」を自分で説明できる、合理的な基準で決めるのが基本です。逆に言えば、なんとなく「まあ半分くらいで」と適当に決めるのは避けたほうがいいということです。

車の按分でよく使われる基準には、こんなものがあります。

  • 走行距離ベース:総走行距離のうち、仕事で走った距離の割合で決める
  • 使用日数・頻度ベース:週や月のうち、仕事で車を使う日数の割合で決める

どちらが正解というものではなく、自分の使い方を一番うまく説明できる基準を選べばOKです。大事なのは、根拠のある数字にしておくこと。割合の考え方に迷う場合は、税務署や税理士に相談すると安心です。

【実体験】私は「週のうち仕事で使う日数」で按分しています

ここからは私のやり方です。

私は車の按分割合を、「週のうち、車を仕事で使う日数」を基準に決めています。走行距離をいちいち記録するのは正直めんどうなので、私にとっては「使う日数」で考えるほうが、実態に合っていて続けやすいんです。

平日のうち、打ち合わせや資料集め、撮影の移動などで車を使う日がだいたい決まっているので、「1週間のうち何日を仕事で使っているか」から、事業で使う割合を出すという考え方です。プライベートで使うのは週末が中心なので、そこは経費に入れません。

具体的な割合の数字は、それぞれの使用実態によって変わるのでここでは伏せますが、「週のうち仕事で使う日数 ÷ 週の使用日数」でざっくり割合を出す——これが私のやり方です。この基準なら「なぜこの割合なのか」を聞かれても、自分の働き方でちゃんと説明できます。

ポイントは、背伸びした割合にしないこと。「経費を増やしたいから」と実態より高い割合にするのは、あとで説明できなくなるので避けています。あくまで実際の使い方に沿った、無理のない数字にしておくのが安心です。

車で「按分して経費にできる」費用の具体例

車に関する費用のうち、按分して経費にできる主なものを挙げておきます。私も実際にこのあたりを、上の日数基準で按分して計上しています。

  • ガソリン代:仕事の移動で使ったぶん
  • 自動車保険料:任意保険の保険料を按分
  • 車検代・点検整備費:車検や定期点検の費用
  • 自動車税:毎年かかる自動車税
  • 駐車場代:月極駐車場などの費用(※打ち合わせ先のコインパーキング代など、明確に仕事のためのものは、按分ではなく全額を旅費交通費にできる場合もあります)
  • 高速道路料金(ETC):仕事の移動で使ったぶん(これも明確に仕事の移動なら全額経費にできることも)

これらをまとめて、同じ按分割合で経費にしていくイメージです。なお、車そのものの購入費用は、金額が大きいと「減価償却」といって数年に分けて経費にする扱いになり、少し話が複雑になります。ここは金額や条件によって変わるので、購入を検討している人は税理士に確認するのが確実です。

車以外にもある「按分」の考え方(携帯・パソコン・自宅)

この「按分」の考え方は、車だけでなく仕事とプライベートで共用しているもの全般に使えます。私が車と同じように按分しているものを紹介します。

携帯電話代(スマホ)

仕事の連絡にもプライベートにも使う携帯電話。私は通話・通信料のうち、仕事で使う割合を按分して経費にしています。基準は、仕事で使っている時間や頻度など、これも説明できる範囲で。

パソコン・通信費

自宅のインターネット回線も、仕事と私生活の両方で使うので按分対象です。パソコンは、仕事専用で使っているものなら全額経費、プライベートと兼用なら按分、という考え方になります(※10万円以上のパソコンは減価償却の対象になることがあります)。

自宅の家賃・光熱費

自宅を事務所兼用にしているなら、家賃や水道光熱費も、事業で使っているスペースや時間の割合で按分できます。私も自宅を仕事場にしているので、ここは按分して経費に入れています。

按分できるものの全体像や、そもそも「何が経費になるのか」という総論は、経費のまとめ記事で詳しく書いているのでそちらもどうぞ。

按分を「ラクに・正確に」記録するコツ

按分の割合を決めても、毎回の記録が大変だと続きません。私が実際にやっているラクにするコツを紹介します。

  1. 事業用の口座・カードで支払う:ガソリン代や車関連の支払いを事業用カードにまとめておくと、「この支出は車関連」と後から追いやすくなります(→事業用口座の記事/クレジットカードの会計連携の記事へ内部リンク)
  2. 会計ソフトで按分の仕訳をする:会計ソフトを使えば、按分の割合を設定して仕訳することができます。口座やカードを連携しておけば、支払いデータも自動で取り込まれるので、あとは割合をかけて仕訳するだけです(→青色申告×会計ソフトの記事へ内部リンク)
  3. 証拠を残しておく:ガソリンのレシートやETCの利用明細など、経費の証拠は保管を。按分の根拠(使用日数のメモなど)も、自分なりに残しておくと安心です

按分は「割合を決める→毎回同じ基準で計上する」の繰り返しなので、最初のルールさえ固めてしまえば、あとは会計ソフトが記録をラクにしてくれます。

まとめ:車の按分は「使う日数」など説明できる基準で

個人事業主の車の経費按分について、実体験を交えて解説しました。

  • 車の費用は全額ではなく、事業で使う割合だけを按分して経費にできる
  • 按分割合は、走行距離や使用日数など「説明できる合理的な基準」で決める
  • 私は「週のうち仕事で使う日数」を基準に按分している。背伸びした割合にしないのがコツ
  • ガソリン代・自動車保険・車検代・自動車税などが按分の対象
  • 車以外に、携帯・パソコン・自宅の家賃/光熱費も同じ考え方で按分できる

按分の記録は、事業用口座・カードと会計ソフトの連携でぐっとラクになります。私が使って4年目のマネーフォワードは無料で試せるので、まずは按分の仕訳や自動記録の快適さを体験してみてください。

そして繰り返しになりますが、按分割合や経費にできるかの最終判断は、税務署や税理士に確認するのが確実です。この記事は、あくまで判断のヒントとして使ってください。

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