個人事業主の経費、何が落とせる?デザイナーが実際に経費にしているものと考え方
「これって経費にしていいの?」 「経費って、結局どこまで落とせるの?」
個人事業主になると、必ずぶつかるのが経費の疑問です。私も独立当初は、1つひとつ「これは経費でいいのかな……」と手が止まっていました。
この記事では、制作会社17年→独立し4年目のフリーランスデザイナーの私が、経費の判断基準と、実際に自分が経費にしているものを、実体験を交えて解説します。
なお、経費の扱いは事業の内容によって変わり、個別の判断が必要な場面もあります。この記事は一般的な考え方と私の実例の紹介なので、最終的な判断は、税務署や税理士に確認してください。
結論:経費の基準は「事業に関連する支出か」の1点
まず大原則です。経費にできるかどうかの判断基準は、「その支出が、事業に関連しているか(事業のために必要か)」——この1点に尽きます。
事業のために使ったお金なら経費になり、プライベートな支出は経費になりません。そして、事業とプライベートの両方にまたがるもの(自宅の家賃など)は、事業で使う割合だけを経費にするという考え方(後述する「家事按分」)を使います。
その上で、私自身のスタンスをひとつ。私は、事業に必要な投資はケチらず経費にするという考え方で運営しています。理由は後半で書きますが、まずは「何が経費になるのか」を具体例で見ていきましょう。
【実例】デザイナーの私が実際に経費にしているもの
私が普段、経費として計上している主なものを、勘定科目(=帳簿上の分類)のイメージとあわせて紹介します。フリーランス、特にデザイナーの方は近いものが多いはずです。
- ソフト・サブスク代:Adobe Creative Cloud、Officeなど。仕事に使うソフトの利用料
- ストックフォト:ShutterstockやAdobe Stockの定額契約。素材代です(→ストックフォトの記事へ内部リンク)
- AIツール:ChatGPTやClaudeの有料プラン。仕事の効率化に使っています(→AI活用の記事へ内部リンク)
- PC・周辺機器:外付けHDD、ペンタブレット、デスク周りの備品など
- 通信費・サーバー・ドメイン:ネット回線、レンタルサーバー、独自ドメインの費用
- 新聞図書費:仕事の参考にする書籍や資料
- 支払手数料:振込手数料や、各種サービスの決済手数料
ポイントは、「事業のために使っている」と説明できるかどうかです。デザインの参考にした書籍、仕事の連絡に使う通信費——こうしたものは、堂々と経費にできます。
「ケチらず経費にする」という考え方
さきほどのスタンスの話です。私は、月数千円のツールやサブスクを「もったいないから」と我慢するより、経費として計上して、しっかり使い倒すほうを選んでいます。
理由は、それが「時間を買う投資」だからです。便利なツールをケチって何時間も手作業するのは、結局、自分の時間と価値を安売りしているのと同じ。浮いた時間で本業を進めれば、ツール代など簡単に元が取れます。この考え方はストックフォトの記事でも詳しく書いています。
もちろん、事業と無関係なものを無理に経費にするのはNGです。しかし、事業に本当に役立つ投資まで「経費がもったいない」と削ってしまうのは、もったいない。この線引きは、独立してからずっと大事にしている考え方です(プロフィールにも書いています)。
【重要】按分:自宅や車など、共用しているものを経費にする
在宅で働くフリーランスにとって外せないのが、家事按分(かじあんぶん)です。
これは、自宅を仕事場としても使っている場合に、家賃・水道光熱費・通信費などを、「事業で使っている割合」だけ経費にできるという仕組みです。生活と仕事が同じ場所で混ざっているぶん、その事業ぶんを取り出す、というイメージです。
私も自宅を事務所兼用にしているので、家賃・光熱費に加えて、携帯電話代や自宅のインターネット料金も、事業で使う割合で按分して経費に入れています。仕事の連絡や調べもの、制作作業で毎日使うものなので、その分はしっかり経費です。
この「按分」の考え方は、自宅以外にも使えます。 たとえば私は、車の費用も按分して経費に入れています。平日は打ち合わせや資料集めで車を使うことがあるので、ガソリン代・自動車保険・車検代などのうち、事業で使っている割合ぶんを経費にする、という形です。
按分の割合は、たとえば「使っている部屋の面積の割合」「仕事に使っている時間の割合」「(車なら)走行のうち仕事で使う割合」など、合理的な基準で決めるのが基本です。
ここで大事なのは、「なぜこの割合にしたのか」を自分で説明できるようにしておくこと。適当に決めるのではなく、面積・使用時間・使用頻度など、根拠のある数字にしておきましょう。割合の考え方に迷う場合は、税務署や税理士に相談すると安心です。
経費にできない・注意が必要なもの
逆に、経費にできない(または注意が必要な)ものも押さえておきましょう。
- プライベートな支出:家族での食事、私的な買い物など、事業と関係のないものは経費になりません
- 所得税・住民税、健康保険料・年金:これらは経費ではありません(※健康保険料や年金は、経費ではなく「所得控除」という別の枠で税金を減らせます)
- 10万円以上の高額なもの:パソコンなど10万円以上の資産は、原則その年に全額を経費にできず、**数年に分けて経費にする「減価償却」**という扱いになります(※青色申告の場合、一定金額未満のものを一括で経費にできる特例もあります。金額や条件は変わることがあるので、最新の情報を確認してください)
このあたりは判断に迷いやすいポイントなので、大きな支出や、経費にできるか微妙なものは、税務署や税理士に確認するのが確実です。
経費管理をラクにする3つのコツ
最後に、経費の記録をラクにする実務のコツを。
- 事業用の口座・カードで支払う:事業の支出を事業用の口座やカードに集約すれば、「この出入り=経費」と一目で分かります(→事業用口座の記事/クレジットカードの会計連携の記事へ内部リンク)
- 会計ソフトと連携する:口座・カードを会計ソフトに連携すれば、経費が自動で記録されます。手入力の手間がごっそり減ります(→青色申告×会計ソフトの記事へ内部リンク)
- レシート・領収書を保管する:経費の証拠になるので、必ず保管を。会計ソフトに撮影して取り込んでおくと安心です
まとめ:経費の基準は「事業に関連するか」。迷ったら確認を
個人事業主の経費について、実体験を交えて解説しました。
- 経費の基準は「事業に関連する支出か」**の1点
- デザイナーの私は、ソフト代・ストックフォト・AIツール・通信費などを経費に計上
- 事業に必要な投資はケチらず経費にする(=時間を買う投資)
- 自宅(家賃・光熱費・携帯・ネット)や車の費用も、按分で事業ぶんを経費にできる
- 所得税や高額資産(減価償却)など、経費にできない・注意すべきものもある
経費の記録は、事業用口座・カードと会計ソフトの連携でぐっとラクになります。私が使って4年目のマネーフォワードは無料で試せるので、まずは経費が自動で記録される快適さを体験してみてください。
そして繰り返しになりますが、経費にできるかの最終判断は、税務署や税理士に確認するのが確実です。この記事は、あくまで判断のヒントとして使ってください。
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